連絡船レポート

トップページ > 連絡船レポート > 宇高航路のお宝発掘

2015年11月24日│連絡船の町プロジェクト・勉強会

宇高航路のお宝発掘

宇高航路のお宝発掘
~故・宇高航路 一等航海士 川西隆大さん~
 
高松市にお住いの川西徳大さんから、宇高連絡船にまつわる貴重な資料をお借りしましたので、ご紹介します!
 
大正13年生まれの川西さんのお兄さん(故人)は、なんと長年、宇高連絡船の運航に従事されていたそうです!
お兄さんの船員手帳や海技免状、無線従事者免許証、船員手帳、など貴重な資料を見せていただきました。

いちばん古い船員手帳は昭和23年3月8日に公布されたもの。
表紙には、「第三宇高松 川西隆大」というゴム印が押されています。

この手帳、記録は昭和22年9月1日付で航海中に操舵手として雇入されたところから始まります。

紫雲丸や、眉山丸、鷲羽丸の運航にも携わっていたことがわかります。

いちばん新しい船員手帳は、昭和53年2月17日交付のもの。

昭和53年2月21日に宇高航路の一等航海士になったことが記録されていました。宇高航路の終焉を見届け、昭和54年4月1日付で退職されたのでしょうか「雇止」に日付が記入されて記録が終了していました。
(そのあとに続く、国鉄OB会の会員証まで、大切に保管されていました。)
 
ページをめくるごとに、宇高航路の歴史を辿っているようで、わくわくしてきます。
 
そして、ずしりと重みのある「阿波丸」と書かれた鐘!
号鐘でしょうか?今でもよく音が響きます。
(号鐘は、「海上衝突予防法」で、長さ100メートル以上の船舶に備え付けることが義務付けられているものです。)

そして、宇高連絡船が終焉を迎える1年前の1987年3月号の時刻表もありました!
ちょうど国鉄が民営化されJRに代わる直前のもので、背表紙にはしっかり「日本国有鉄道」と印刷されているんですよ。

「エキゾチックジャパン」の文字に時代を感じますねー。
 
そしてよくよく見ると…
昭和62年3月1日の高松桟橋のスタンプが押してあります!

中にはもちろん、宇高連絡船の時刻も、掲載されています!
そのほか、入場券や回数券の説明など、あらゆるところに「連絡船」の説明も組み込まれていました。
 
この時刻表によると…
宇高連絡船の運賃 500円(こどもは半額)
急行料金(宇高ホーバー券) 1100円(こどもは半額)
グリーン料金(自由席)500円(おとな・こども同額)
 
当時の宇野駅は、寝台特急「瀬戸号」も発着していました。「瀬戸号」から宇高連絡船に乗り継ぎ、四国の高松駅発着の特急、急行列車にその日のうちか翌日に乗り継ぐと、四国内の特急料金、急行料金、指定席料金は半額になったそうです。
新幹線から在来特急、急行に乗り継ぐときの割引と同じですね!
 
ちなみに、連絡船の紹介ページに一緒に掲載されていたのは青函連絡船と、宮島連絡船の二つでした。
 
川西さん、貴重な資料を、ありがとうございました!
 
(斉藤)

 


このページの先頭へ