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宇野港「連絡船の町」プロジェクト 第4回「撮り船」フォトコンテスト審査会結果

最優秀賞

就航29年 きたかみ最後の夏

(2018年 北海道苫小牧市/山内 佳子)

審査員講評
大西みつぐ 様々な人を乗せてきた歴史が船の汚れ・シミのようなかたちで残り、それが光に浮かびあがることで、経てきた時間を想像させ、とてもドラマチック。
織作峰子 写真は時の記録。勤めを終える船を後世に残すことは写真の存在意味でもある。黄金に輝いている有終の美を、素晴らしい一瞬の時と共に切り取った作品。
北川フラム 海は「キレイ」「遊ぶ」というイメージの他に、重工業的な鉄板のようなイメージがあり、それを感じられる作品。
椎名誠 舞台劇の一場面のよう。この船がこれで終わりというような感傷めいたものを考えなくても、この作品は完成したイメージがある。

優秀賞(2点)

  • 矢切の渡し

    (2018年 千葉県松戸市下矢切/輿石 龍哉)

    審査員講評
    大西みつぐ 空と雲のディティールも含め、のどかな昭和時代の名残のような情緒ある風景がしっかり表現されている。思わず人の顔をのぞき込みたくなるような豊かなイメージをもった作品。
  • 親子かな

    (2018年 広島県竹原市/沖本 祐治)

    審査員講評
    織作峰子 愛らしい作品。後ろの大きな船に負けない、世界観を表現している。シルエットと夕日の色だけだが、めりはりのある作品に仕上がっている。
    椎名誠 機械と身近な愛する動物との対比、そこに自然の時間が大きな手助けとなり、三位一体となった素晴らしい作品。

ニコン賞(1点)

祭りの朝

(2018年 土庄町/中澤 福美)

審査員講評
大西みつぐ 影の中から船が出てきて、祭りに行く少年が見え、その陰影が日常から非日常に向かっていく境目にいるようで非常に美しい。祭りへ向かう少年の心情が象徴的なライティングに浮かび上がり、緊張感のある良いスナップショット。

審査員特別賞(各1点)

  • <大西みつぐ>
    にわか雨

    (2007年 犬島/吉永 としき)

    審査員講評
    大西みつぐ 連絡船のある風景として、船が行き交っているだけでなく、人が行き交っているということを、この写真は語っている。立体的な空間がうまれていて、まさに人と人とが行き交う風情が1枚の写真の中に表現できている。
  • <北川フラム>
    遊覧船が行く

    (2017年 新潟県佐渡市姫津/山﨑 泰)

    審査員講評
    北川フラム 観光のあるところに、日常の生業があって、それが今私がよく目にする風景なので魅力的だった。
  • <椎名誠>
    取り舵いっぱい

    (2014年 熱海/石原 一輝)

    審査員講評
    椎名誠 愛情あふれる写真。船の象徴となるものを持って、いかにも子どものやりそうなことをしているのが愛らしい。
  • <織作峰子>
    模様と輝きのある海をゆく

    (2017年 東広島市/梶谷 浩)

    審査員講評
    織作峰子 時間帯と雲行きと自然の光の具合が美しい。瀬戸内海らしい水面の模様と、厚い雲の間から差し込む光。色彩が美しく、秀逸な風景写真。

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